2019年4月24日に大手町の会議室にて歯科後継者塾の継続勉強会を開催しました。 今回のテーマは 『歯科技工を考える』 ということで、九州最大の歯科技工所、株式会社GIKOの門田取締役をお招きし、 『良い歯科技工物を手に入れる』ことについて学びました。 http://www.labogiko.jp/ 歯科技工物の良し悪しは、事業承継後の医院経営において非常に重要な意味を持ちますので、 今回はこのテーマを設定しました。 講義の内容は「良い歯科技工物を手に入れるために歯科医師の取るべきスタンス」などで、 1000軒以上と歯科医師以上に歯科医院を見てきた門田さんだからこそわかる、歯科技工所・ 歯科医院の両方の視点を取り入れた内容でした。 事業承継において『歯科技工所との関係』は、なかなか難しいところがあります。 父親(先代)が使っていた歯科技工所が、息子(今の代)のドクターにも合うかどうかは未知数で、 『自分とは合わないから技工所を替える』というドラスティックな改革が難しい部分でもあります。 「父親の代からお世話になっているし、、」 「うちとの契約が無くなったら、この技工士さんはどうやって生活していくのか、、」 「人間的には悪い人ではないんだよな、、」 というような様々なしがらみがあるからです。 なので、事業承継前の先生(特に補綴に力を入れたいドクター)は注意深く 取り組んで行く必要があります。 株式会社ギコウさんは、 1.100%自社製造 2.全国の大学病院に歯科技工物を納品 3.CAD/CAMに力を入れている という特徴のある九州最大(全国では3か4番目とのこと)の歯科技工所です。 歯科医院で歯科技工所を選ぶ際の選択肢としてまずは、 ○大型歯科技工所(株式会社ギコウや、株式会社成田デンタルさんのような) ○小型歯科技工所(技工士数1-2名でやっているような、個人経営のところ) の2択になって来ます。 ○大型技工所は ・最新の設備が揃っている、材料も最新のものを使っている、大型機器を導入している、 メーカーからの最新情報なども入りやすい、研究・開発にも力を入れている、 大人数でやっているので一人の体調不良などで納期などが変わるリスクが少ない などの良い点があります。 一方で ・小回りが利きづらい(今ちょっと顔出して!とか、毎日技工士が顔を出すとか)、 直接技工士に指示が出しづらい(営業の人が間に入る場合がほとんどです)、 技工指示書に書けないような細かい指示は営業を介さないと伝えられない、 納品が宅配便になる、 などと言ったデメリットが考えられます。 最終的には、技工物のクオリティと価格、そして先生側のポリシーとの折り合いを どこにつけるのか、ということを考えて行く必要があると感じました。 大型技工所を使っても、小型技工所を使っても、 『最終的には技工士さんとのコミュニケーションが取れていること』が一番重要であると 門田さんのご説明が印象的でした。 その他の重要な要素としては、『歯科技工所に見学に行く』ことが重要であるとの説明もありました。 患者さんの口に入るものが、どのような環境で作製されているのかを知らないドクターが本当に多いといいます。 (彼の感覚値では、技工所に見学に行くドクターは1%ほどではないかとのことでした。) その際には、その歯科技工所が ・どんな『設備』で作っているのか ・どんな『材料』を使っているのか ・見学に来た人への『対応』はどうか ・『5S』は守られているのか というような部分を見ると良いようです。 講義終了後の質問タイムでは、特別参加した歯科後継者塾の現役受講生(大学病院勤務)から、 日ごろから抱いていた歯科技工物や歯科技工所との関わりになどについて、歯科医師目線の質問が 飛び交っていました。 このように、歯科後継者塾では(ほぼ)毎月様々なテーマで継続勉強会を開催しています。 それぞれの内容が、歯科医師にとって『学び』となり『実践できる』内容となっておりますので、 お気軽にご参加ください。 次回の開催は2019年5月19日(日)15時~を予定しています。 5月は実際に歯科医院を経営しているドクターから、 『しあわせな歯科医院経営(仮題)』についてお話いただく予定です。 歯科後継者塾に興味がある方は、是非ご連絡ください。親先生、(承継予定の)子先生問わず無料で参加できます。
参加申し込みは下記メールアドレス(担当:園田)宛にお願いいたします。
場所など詳細は個別にご連絡させていただきます。
mail@shika-kj.com